専門家による収納コラム

持ち物を見直そう!(3) -バッグの中の整理術 その1-

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持ち物が多くて、いつもバッグが重い。ずっと荷物を入れっぱなしで何が入っているのかわからない……。時間が経つほどに重みを増して、ずっしり腕に食い込むバッグ。放り出したくなったことのある方も沢山いらっしゃるのではと思います。

どうして荷物が多いのか聞いたところ、「もしかしたらの時のために」「同じバッグを使っているから、荷物も入れたまま」というお答えが多数。裁縫道具に始まり、手紙セットや髪を巻く道具一式まで持っているという方までいらっしゃいました。なんて用意周到! でも、それらは本当に毎日持ち歩くべき必需品でしょうか?

内布が明るい色のバッグを

バッグの中で携帯電話が鳴ったのに、パンパンに詰まっている荷物に埋もれてどうにも見つからない。荷物の減らし方は後でゆっくりお話することにして、バッグの中をごそごそしがちな方は、口ががばっと大きく開く内布が明るい色のバッグを選ぶと中身が探しやすくなりますよ。暗い部屋の中で探しものをするのと、明るい部屋の中で探しものをするのではどちらが探しやすいかと考えたら、これはバッグの中も同じことです。

入れるものに合わせてバッグを選ぶ

まず、バッグ選びの大きなポイントは、洋服とのコーディネートも大事ですが、中に入れるものにふさわしいバッグの形状を選ぶことです。たとえばノートや書類、本を入れるのであれば、揃えて立てて入れるとすっきり整とんされるので、底板が入った型崩れしにくい四角いトートバッグやビジネスバッグが最適です。また、持ち手が太めのバッグのほうがより広い面で重さを支えますので、細い持ち手のバッグに比べて肩や腕に食い込みにくく、重さが軽減されます。

お弁当を持っていく方なら、お弁当がピッタリ入るマチのあるバッグを。このとき、底が柔らかくて物を入れるとたわんでしまうバッグを選ぶとせっかくのお弁当が斜めになってしまうので、底板が入ったものがベターです。他の荷物と形状が合わなそうならばメインのバッグと別に小さなサブバッグに入れるという手もあります。

逆に底の形状が丸型のものやくたっとした生地のバッグは、ポーチやストールなど形状が定まらないものを放り込みたいときにいいでしょう。

バッグ選びの次は中身のダイエット

中身に合わせたバッグを選んだら、次は中身のダイエット。まず、バッグの中身をすべて出して、不要なものを外していきます。「もしかしたら、使うかもしれない」。その心がけはとても素敵ですが、実際にはどうでしょう。これまで出番は何度ありましたか?

今はある程度はスーパーやコンビニエンスストアでパッと買える時代です。勇気を出して、試しに過去1週間で使わなかったものを置いて出かけてみましょう。これを続けていくと、自分が本当に持ち歩くべきものがわかりますし、間違いなく荷物も減りますよ。大事なのは、バッグの中身をその都度見直すこと。リップクリームが2本出てきたり、ティッシュが3つ入っていたなどはよくある話。記憶にないものが入っている状態とはサヨナラしたいですね。

この他に、女性の荷物で大幅にダイエットできる余地があるのはメイク道具です。夜に食事の予定が入っている日ならばまだしも、普段の日はお化粧直しのためのアイテムだけで十分。また、手帳のサイズを小さいものに替える、スケジュールを携帯電話で管理する、音楽プレーヤーやデジカメなど携帯電話に機能を集約できるものはするなど、減らしどころはあちこちにあります。パンパンに膨らんだお財布には、きっと不要なレシートやカード類が大量に入りっぱなし。それらを処分するだけで、かなり効果があるはずです。

そして、本当に必要なものだけを残したら、最後にそれらを大まかにポーチなどで分けます。お弁当、メイクポーチ、名刺入れ、ペンケース、ガムや飴や薬などその他のちょっとしたものを入れるポーチ。あまり細分化しすぎるとどこに何を入れたか忘れて探すのが逆に大変になるので、ざっくり分類がおすすめです。

あとは、それぞれのアイテムをできるだけ軽量化しましょう。バッグやポーチ、お財布の素材を吟味する。本は単行本でなく文庫本を。分厚いファイルはデータ化してスマートに持ち歩く。これだけで、みなさんの荷物も驚くほど軽くなりますよ。どうぞお試しくださいね。

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エッセイスト 柳沢小実

筆者の写真

生活や状況に応じた“物の持ち方”をご紹介いたします。

エッセイスト。衣食住に関する著書多数。収納への興味が高じて、整理収納アドバイザーの資格を取得しました。すっきり楽しく暮らすための収納・インテリア・もの選びを雑誌や書籍で提案しています。

【メディア】 「レタスクラブ」(角川SSコミュニケーションズ)、「天然生活」(地球丸)、「LEE」(集英社)など多数。
【著書】 『暮らしのアイデア帖―トラベル編―』など衣食住に関する著書多数。最新刊は『暮らしのアイデア帖―贈りもの編―』(ピエ・ブックス)。
【資格】 整理収納アドバイザー1級

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