専門家による収納コラム

仕事に役立つ整理法(2) -メールと書類の整理術-

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オフィスのデスク周りは情報やものが溢れています。重要なものが沢山あるのに、不要なものと混ざり合って何が何だかわからない状態になっているという方も少なくないはず。

たとえば一日あたり5分間探しものをしたら、一週間では25分、一ヶ月では100分、一年では……膨大な時間になりますね。整理整頓は仕事の効率アップへの近道。まずは情報の交通整理をして、探しものばかりの毎日とサヨナラしましょう。今回のテーマはメールと書類の整理術です。

不要なものをシャットアウト

メールソフトの受信トレイは、すべてが入ってくる入金口座のようなもの。迷惑メールなど不必要な情報も沢山入ってきます。まず、迷惑メールができるだけ入ってこないようにフィルターをかけてブロックし、それでも入ってくるメールはこまめに削除。毎日大量に届くメールマガジンやニュースなども、読まなくなったものはこれを機に配信停止にしましょう。この結果残ったものが、あなたにとって必要なメールなのです。

ジャンル別→会社別→人別に分ける

次のステップではこれらのメールの分類をします。まず、受信トレイの中に、ジャンル別のフォルダを作成しましょう。家族、仕事(進行中)、仕事(過去)、友達など、ここはあくまでも大まかに。単純明快に分けておけば、どれに入れたか迷わずにすみます。それぞれのフォルダの中に会社や媒体別のフォルダを作って、担当者やプロジェクトが複数の場合はその中にさらに個人名のフォルダを作ります。図式にすると、「ジャンル>会社・媒体>個人」となります。

仕事を進行中と過去に分けるのは、今必要な情報とそれ以外のものを分類するため。たとえば“仕事(過去)”フォルダに入っている方と新たにプロジェクトが始まる場合は、フォルダを“仕事(進行中)”に移動させます。これは、頻繁に連絡を取り合う人とそうでない人を一軍と二軍に分けるようなものですね。

そして、それぞれのフォルダには、送られてきたメールとそれに対して返信したメールの両方を入れます。長いスパンでやりとりが続く案件や忙しい時などは特に、いただいたメールに対してどのような内容で返信したかを残しておくと、さかのぼって確認できて安心です。ただし、過去のメールを大量に貯めこむと重くなるので、一日に送受信するメールの量にもよりますが、過去3ヶ月・半年・一年を目安に古いメールは削除。そして、できれば受信トレイを常にからっぽにしておくことを心がけましょうね。

デスクは一番下の引き出しがポイント

メールの整理が終わったら、次に取りかかりたいのはデスクの整理です。常に資料が山積みで、さらにそれが雪崩を起こした。といったことは、かなり多くの方が経験されたことがあるはず。でも、デスクの上は荷物置場ではなくて作業スペースです。まず、それぞれの引き出しに本来収まるべきものを考えましょう。

一番上の浅い引き出しは、最も使い勝手のいい場所。文具類など使用頻度が高く、こまごました小さいものを入れるところです。トレイなどを使って分類し、手前によく使うもの、奥へ行くほど使用頻度の低いものを入れます。二番目の引き出しは、電卓や伝票類、名刺ファイル、レターセットなどを入れてもいいでしょう。

デスクの収納でポイントとなるのは、一番下の深さのある引き出しの使い方。ここはかなり収納力のある場所。大いに活用して、収納上手を目指したいですね。では、具体的にこの引き出しには何を入れたらいいか。深さや奥行きから考えて、書類を入れるに適していると言えるでしょう。ただし、ファイルや資料を重ねて入れたりしたら状況は全く変わりません。「積み重ねず、立てて入れる」。これは収納の大原則。また、書類を入れるときに使用頻度の高いものが手前にくるように配置すると使いやすくなりますよ。

資料の整理については、なんとなく取っておいているものを処分することが大前提。量を減らしたらメールの分類と同様に「ジャンル>案件やクライアント」と分類してファイリングしましょうね。

デスクの整理は自分自身にとっても周りの人にとってもいいことだらけ。新年度が始まる前の今の時期に、どうぞ取り組んでみてくださいね。

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※上記の専門家コラムに関するご質問、お問合せは、原則受付けておりませんのであらかじめご了承ください。

エッセイスト 柳沢小実

筆者の写真

生活や状況に応じた“物の持ち方”をご紹介いたします。

エッセイスト。衣食住に関する著書多数。収納への興味が高じて、整理収納アドバイザーの資格を取得しました。すっきり楽しく暮らすための収納・インテリア・もの選びを雑誌や書籍で提案しています。

【メディア】 「レタスクラブ」(角川SSコミュニケーションズ)、「天然生活」(地球丸)、「LEE」(集英社)など多数。
【著書】 『暮らしのアイデア帖―トラベル編―』など衣食住に関する著書多数。最新刊は『暮らしのアイデア帖―贈りもの編―』(ピエ・ブックス)。
【資格】 整理収納アドバイザー1級

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